東京電力福島第1原発事故から14年。被災した住民の苦悩が続く中、国のエネルギー政策は「原発依存の低減」から「原発の最大限活用」に大きくかじを切った。原発事故が今に問いかけるものは何か。2人の識者が論じた。
「原発回帰」は時代遅れだ 龍谷大教授・大島堅一
東京電力福島第1原発事故から14年になるのを前にした今年2月、第7次エネルギー基本計画が閣議決定された。エネルギー政策基本法に基づき約3年に1度つくられる計画で、エネルギーの需給に関する方針を指し示す。
原発事故後の基本計画では「原発依存度の可能な限りの低減」という基本方針が示されていた。加えて、2015年の...