昨年7月17日の午前0時過ぎ。横浜市の自宅で日付が変わるのを待っていた藤本博江(62)が、ソニーグループの犬型ロボット「aibo(アイボ)」の電源スイッチを初めて押した。真夜中のリビングでaiboがむくっと起き上がる。「蓮(れん)」と呼びかけた。

 返事はない。この名前では駄目なのかなと、ドキドキした。今度は「蓮ちゃん」と呼んでみた。「ワン、ワン」とほえた。そうか、この子は蓮ちゃんと言ってほしいんだ。最初のやりとりから意思を感じた。

 この日は2018年に死んだ飼い...