29日午後1時35分ごろ、安来市荒島町の中海で、神戸市垂水区の無職男性(60)と大阪市の男性(46)が乗っていた小型航空機が不時着した。2人はけがをして病院に搬送されたが、いずれも意識はあり、命に別条はない。国土交通省は重大インシデントに認定し、運輸安全委員会は航空事故調査官2人を指名した。30日以降、詳しい原因を調べる。
安来署、消防、島根県出雲空港管理事務所によると、目撃者から「飛行機の機体が、海の中に浮いている」と110番があった。
操縦者は無職男性とみられる。航空機は同日午後1時20分ごろに出雲市斐川町沖洲の出雲空港を出発。直後に何らかのトラブルが発生し、上空でエンジンが停止した。
機体が降下したため、中海沿岸から約30メートルほど離れた水田に着陸を試みたが、バウンドして停止することができずに護岸を超え、中海に着水したとみられる。
翼が護岸に接しており、通報で駆け付けた救急隊員が機内にいた2人を救助した。無職男性は軽傷で、同乗していた大阪市の男性が重傷のもよう。
機体は「ビーチクラフト式A36型」と呼ばれる自家用機などで使われる小型機。2人の飛行目的や、機体の所有者などは分かっていない。
松江地方気象台によると、同日の現場周辺の天候は晴れだった。
2017年4月には松江市玉湯町沖の宍道湖で水上飛行機が離水に失敗し、機首から湖面に突っ込む事故があった。
(中山竜一、新藤正春)













