島根県隠岐の島町を一周するコースで健脚を競う第18回隠岐の島ウルトラマラソンが15日、同町で開かれた。100キロと50キロの2部門に全国から962人が参加。豊かな自然の景観や応援に出た住民との交流を楽しみながら、勾配のあるコースを走り抜けた。
レースはまだ薄暗い午前5時、同町中町の西郷港に停泊するフェリーしらしまの汽笛を合図に、100キロの部の420人が走り出した。同11時半には50キロの部の542人が、同町郡の水若酢神社境内からスタートし、島を左回りに半周した。
午前は小雨が降る中で霧が出て蒸し暑く、午後になると日差しが当たるというランナーにとって厳しいコンディションとなった。途中、テントを設営して高齢者や子どもたちが小旗を振って応援し、菓子や甘酒、飲み物を提供する住民有志による自主エイドステーションもあちこちにできて、疲労困憊(こんぱい)したランナーたちを癒やした。

男子100キロは広島市の大学職員相川裕一さん(28)=島根大出身=が3連覇した。相川さんは1月に県外であった大会で送迎車の事故により右足を骨折したがリハビリに励んだといい、「難易度は最も高かったが、応援があって後半は1回も止まらず走れた」と感謝した。
女子100キロは祖父母が隠岐出身の千葉県浦安市、篠﨑理紗さん(33)が6連覇。篠﨑さんも故障中だったが「隠岐の島が味方してくれた」と喜んだ。男子50キロは松山市の野中健史さん(31)が4連覇、女子50キロは岡山市の森岡未来さん(32)が2連覇した。
50キロの部にゲストランナーとして出場した川内優輝選手(38)=あいおいニッセイ同和損保=は最後尾からスタート。公式記録には載らないが、先頭となる3時間8分4秒でゴールした。
(鎌田剛)