松江市の松江城天守が8日、国宝指定10周年を迎え、本丸で書道パフォーマンスなど記念イベントがあり、関係者が観光客らと節目を祝った。
松江城を背景に同市を拠点に活動する路上詩人こーたさん(41)とイラストレーター・Pori(ポリ)さん(39)が、パフォーマンスを披露した。180センチ四方の赤色の紙に墨で松江開府の祖・堀尾吉晴の姿を描き、発展を願う「彌栄(いやさか)」の文字を添えた。作品が完成すると武者姿のガイド「まつえ時代案内人」と共に勝ちどきを上げ、観光客ら約50人から大きな拍手が送られた。
オリジナル手拭いや限定御城印の配布もあり、先着100人分が10分ほどでなくなる盛況だった。記念行事は市などでつくる松江城天守国宝10周年記念事業実行委員会が主催した。
奈良市から訪れ、友人家族と天守に登った前田隆正さん(73)は「井戸のある城は初めて見た。歴史がそのまま残り、松江が豊かな国だったと分かった」と満足そうに話した。
松江城天守は2015年5月に国の文化審議会が文部科学相に国宝指定を答申。7月8日の官報告示で正式決定した。(山本泰平)