政府内で1日、東京など21都道府県に発令している新型コロナウイルスの緊急事態宣言について、12日の期限までの全面解除は困難との見方が広がった。新規感染者数は一部で減少傾向がみられるものの、依然として医療提供体制が逼迫(ひっぱく)している地域もあり、延長は避けられない情勢だ。来週に菅義偉首相が関係閣僚と協議し最終判断。対策本部会合を開いて正式決定する。政府関係者が明らかにした。
厚生労働省にコロナ対策を助言する専門家組織は「ほぼ全ての地域でこれまでに経験したことのない規模の感染者数の発生が継続している」と分析。会合後、脇田隆字座長は記者会見で、宣言の全面解除について「可能かどうか1日時点で判断できる状況ではない」と述べた。
感染力が強いデルタ株の影響で、全国の新規感染者数は最大で1日2万5千人を超えた。重症者は2110人だった8月31日まで19日連続で過去最多を更新。9月1日は2092人で前日から18人減ったが、加藤勝信官房長官は記者会見で「今後の動向も見る必要がある」と慎重な姿勢を示した。