四方田犬彦「金雀枝(えにしだ)のヨハネ」(港の人)。その言葉は精緻な彫刻のように美しい陰影をもつ。

 亡き詩人が晩年を過ごした清里の山荘を「わたし」が訪れる詩がある。

 「小海線を...