ソロアルバム『Honora/オノラ』のリリースを記念したリスニングパーティーを開催したフリー Photo:KAZUMICHI KOKEI
ソロアルバム『Honora/オノラ』のリリースを記念したリスニングパーティーを開催したフリー Photo:KAZUMICHI KOKEI

 世界的ロックバンド、レッド・ホット・チリ・ペッパーズのベーシスト、フリーの初ソロアルバム『Honora/オノラ』のリリースを記念したリスニングパーティーが9日、都内で開催された。会場にはフリー本人も登場し、来場者からの質問に答えるコーナーも設けられた。

【写真】真剣な表情で来場者からの質問に答えるフリー

 フリーは、黒のロングジャケットにパープルのニット帽、ゴールドのネックレスをつけたファンキーなファッションで登場。「今日はありがとう。自分のことをレッド・ホット・チリ・ペッパーズのベーシストとして知っていると思うけど、自分は子どもの頃からトランペットを演奏してきました。このアルバムは、自分が心からやりたかったものです」とあいさつし、さっそく『Honora/オノラ』の全曲視聴が始まった。あいさつのあと、フリーは来場者と同じソファーに座り、目を閉じながら体を前後に揺らして、気持ちよさそうに音楽に身を委ねていた。

 同アルバムでは、フリーはベース、トランペット、ボーカルを担当し、気鋭のミュージシャンたちを招集してジャズに挑戦。全10曲が収録されており、ジャズはもちろん、ファンキーな要素、エレクトリックやサイケの要素など、さまざまなアプローチが取り入れられている。フリーのトランペット演奏も魅力的で、トランペッターとして、そして作曲者としての存在感が存分に感じられる作品となっている。ロー(ベース)が効いたミックスも、フリーのファンにはたまらない仕上がりだ。

 質疑応答のコーナーは、貴重なコメントが次々と飛び出す充実した時間となった。今作についてフリーは「このアルバムにはジャンルはないんだ。ジョン・コルトレーン、セックス・ピストルズ、フェラ・クティ――自分が好きなものを取り入れている」と語り、ジャズアルバムとしながらも特定の型に収まらない自由な作品であることを強調した。

 ソロアルバム制作の背景には、私生活の影響があったという。レッド・ホット・チリ・ペッパーズとして長いツアーや制作を続ける中で、「楽器も見たくないほど」疲弊する日々もあるというが、「今の妻と出会って心に平穏が訪れた」と語った。家族との時間を大切にしながら、読書やサーフィンで心を休める日々の中で、「自分とは?」という問いが芽生え、ジャズをテーマにした“原点回帰”となる今作の制作へと向かったという。フリーは「いかにシンプルに生きながら、その中でいろいろなものを感じて、音楽に展開できるかが重要だと思う」とも語り、穏やかで質素な暮らしと創作が地続きにあることをうかがわせた。

 今作のメインテーマであるジャズについて語る場面では、近年のLAのジャズミュージシャンたちとの出会いが大きかったと振り返った。「義理の父がジャズミュージシャンで“ジャズが一番だ”と言っていた。その反動で自分はパンクのほうにいったんだ。自分は音楽をちゃんと学んでいないし、ジャズの偉大な人を敬遠していたけど、カマシ・ワシントンだったり、ジェフ・パーカーだったり、LAのジャズミュージシャンとの出会いが自分の考えを変えてくれた。彼らは音楽理論ももちろん身につけているけど、ジャズが一番だとは思っていない。ヒップホップもロックもオープンに受け入れているんだ」と語り、ジャンルを横断する彼らの姿勢が自身の創作を後押ししたと明かした。

 終盤では、レッド・ホット・チリ・ペッパーズの新作も制作中であることをポロッと明かしながら、「時間があればまた日本を訪れたい」と語ってくれた。本や映画、歴史など日本から得る刺激は多いといい、「日本が大好き」と笑顔で語りながら、最後は「みなさんと一緒に座って音楽を聴けることが幸せでした」と締めくくった。

 アルバム『Honora/オノラ』は3月27日に発売される。同日に国内盤CDもリリースされる予定。