短歌 寺井 淳選

書きこみの乱れあふれるカレンダー夫を送りし令和七年      安 来 日原 昌子

  【評】夫君をみとり、送った昨年。悲しい思いは言葉にされないが、上句のなかに切々と描かれている。乱れあふれているのは、病院や葬儀の書き込みだけでは、決してない。

舌が鼓を打つという打たいでか取れたて野菜義姉の手料理     雲 南 伊藤  悟

  【評】二句と三句、2カ所の句切れがいかにも鼓の打ち込みのような勢いを感じさせる。特に三句「打たいでか」に、手料理のおいしさや口腹の喜び、感謝が凝縮されている。...