山陰の選挙

出川 桃子 氏

 任期満了に伴う松江市長選が18日、投開票され、無所属新人で元日本政策投資銀行松江事務所長の上定昭仁氏(48)が、無所属新人の出川桃子氏(43)、共産党新人の吉儀敬子氏(70)を破り、初当選した。旧市時代を含めて戦後、2番目に若い市長が誕生する。投票率は過去最低だった2017年の前回選を2.58ポイント上回る60.24%だった。 [続きを読む]

市長選開票結果

市議選開票結果

出川 桃子 氏でがわ ももこ
肩書き 元松江市議
出身 東京都調布市出身
政党 無所属
現新 新人
年齢 43歳
最終学歴 成蹊大学法学部 卒業
住所 松江市大正町
選挙事務所 松江市大正町442-16
最終更新日:2021年4月7日

第一声要旨

市庁舎建て替え見直す

 

 市議として4年間、市政に送り出してもらい、政策決定に携わる中で、市民が置き去りにされていると憤りを感じることがあった。松江市では、中国地方最大規模の市庁舎建て替え事業が進んでいる。市民の声を聞いて決めるべき重大政策が、一部の利害関係者によって水面下で決まってしまう。市民不在の政策決定こそが市政最大の課題だ。古い政治手法から生まれた庁舎問題を見直すことが、松江を新しく生まれ変わらせる一歩だと信じている。市民のための市政を実現することが、次世代への責任であり、私の使命だ。

▽出川 桃子(でがわ ももこ)43歳、無新
 元松江市議。東京都出身。都内の外資系企業勤務などを経て、2012年に夫の出身地の松江市に移住した。17年の市議選で初当選し、市長選出馬に伴い2月に辞職した。大正町。成蹊大法学部卒。

候補者の横顔

長男の弁当作り欠かさず

 

 小学2年と中学3年の息子を育てながら市長選に挑む。進学や就職でいったん故郷を離れた子どもたちが再び戻りたいと思える松江をつくろうと、4年前の春に市議選に立候補。初出馬でトップ当選を果たした当時から、その思いは変わらない。

 市議時代を含め、どれだけ帰宅が遅くなっても朝5時半に起き、長男の弁当作りを欠かしたことはない。「子育てや家事をしているからこそ分かることもある」と、市民目線を大切にしながら政治の道を歩む。

 東京都出身で2012年に夫の古里の松江市に移住した。市議として、市民不在に映る市政を変えようともがいたが何度も壁にぶち当たった。そんな時に夫が贈ってくれた言葉が「涓滴(けんてき)岩を穿(うが)つ」。最初は何も成果が見えなくても、一滴一滴がいつしか岩を砕くことになるとの意味があり、心に刻む。

 気分転換したい時は家族が寝静まった後にケーキを焼き、無心で家の中を掃除する。「整理整頓をしている時間が一番好き」と笑う。大正町。

政策アンケート

【経済対策】

(質問)新型コロナウイルスの感染拡大を踏まえた経済支援策や中長期的な産業振興策をお示しください。

 当面の対策としては、持続化給付金の再支給、雇用調整助成金の再延長などの施策を国・県・市と連携を図りながら早期に実現したい。また、市役所建設事業を見直すことで事業費を削減し、生み出された財源を地域経済復活のために活用する。新たな販路拡大や人材育成、地方回帰志向の高まりを好機と捉え、企業誘致を進める。

【原発再稼働】

(質問)島根原発2号機の再稼働の是非や避難計画の課題認識、エネルギー政策の在り方についての考えをお示しください。

 市長は市民の安全、安心を守る責任がある。原発稼働の判断に当たっては、適合検査の審査結果だけで直ちに稼働が決定されるわけではなく、原発事故避難計画の実効性についても情報公開を行い、専門家や市民と共に検証する。エネルギー構造の転換に向け、再生エネルギーの導入を進める松江ビジョンを早期に策定したい。

【周辺部対策】

 (質問)人口流出や高齢化が進む旧町村エリアについて、地域力の維持と振興に向けた具体策をお示しください。

 支所や公民館機能を強化し、身近な場所で市民サービスを受けられるようにするとともに、医療や買い物、金融など日常生活を支える機能を配置した新たな交流拠点の整備に取り組む。自動運転の技術などを活用した新しい移動手段の確保にも取り組み、誰もが住み慣れた地域で安心して暮らし続けられるまちづくりを実現する。

【子育て支援】

 (質問)若い世代の結婚、出産に対する支援や子育て環境の充実に向けた考えをお示しください。

 子どもは地域の宝であり、子育て支援は、未来への投資である。出産、子育て、介護、ひとり親家庭など、女性一人にその責任を負わせるのではなく、社会全体で支えながら子育て世代の負担を軽減し、安心して子どもを生み育てられるまちをつくる。また、雨の日や雪の日でも親子で遊べる全天候型の遊び場を整備する。

【まちづくり】

 (質問)線引き制度の是非や空き家対策のあり方を踏まえながら、まちづくりの方策をお示しください。

 線引き制度は人口が右肩上がりの高度経済成長期に設けられたもので、人口減少時代に適応した仕組みをゼロベースで見直し、税制も含め検討していく必要がある。まちづくりのグランドデザインは行政だけで一方的に決めるのではなく、若者や女性の意見を積極的に取り入れながら希望あるまちづくりに共に取り組んでいきたい。

【庁舎建て替え】

 (質問)市役所本庁舎の建て替え事業の進め方や、目指す政策決定のあり方をお示しください。

 市役所本庁舎の建設事業は、重大な政策が市民の思いとかけ離れ、利害関係者の阿吽(あうん)の呼吸で決められてしまう「市民不在の政策決定」の象徴だ。現実的に見直しは十分可能であり、古い政治手法から決別し、建設事業を根本的に見直すことで事業費を削減し、市民と共に時代の流れとニーズに合った次世代型の市役所を実現する。

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