山陰の選挙

吉儀 敬子 氏

 任期満了に伴う松江市長選が18日、投開票され、無所属新人で元日本政策投資銀行松江事務所長の上定昭仁氏(48)が、無所属新人の出川桃子氏(43)、共産党新人の吉儀敬子氏(70)を破り、初当選した。旧市時代を含めて戦後、2番目に若い市長が誕生する。投票率は過去最低だった2017年の前回選を2.58ポイント上回る60.24%だった。 [続きを読む]

市長選開票結果

市議選開票結果

吉儀 敬子 氏よしぎ けいこ
肩書き 元松江市議
出身 松江市出身
政党 共産党
現新 新人
年齢 70歳
最終学歴 名古屋市立保育短期大学 卒業
住所 松江市東出雲町揖屋
選挙事務所 松江市袖師町3-6
最終更新日:2021年4月7日

第一声要旨

原発再稼働は必要ない

 

 市長は住民の命と暮らしを守る最高責任者だ。新型コロナウイルスで苦しむ事業者のため、国に持続化給付金の再交付を要望する。市の財政調整基金の一部を取り崩し、直接支援も行う。PCR検査の規模拡大と無償化で、感染の封じ込めに取り組む。10年前の福島原発の事故で、原発は事故を起こすと身をもって体験した。島根原発2号機の再稼働は反対。そもそも9年間原発なしで生活できており、避難計画にも問題がある。放射能におびえるのではなく安全安心なエネルギーで発電しよう。松江を原発事故から守ろう。

▽吉儀 敬子(よしぎ けいこ)70歳、共新
 元松江市議。党東部地区常任委員。保育士を経て、1986年から旧東出雲町議を7期、2013年から松江市議を2期務め、市長選出馬に伴い3月末に辞職した。東出雲町。名古屋市立保育短期大卒。

候補者の横顔

幼少から茶の湯に親しむ

 

 保育短大を卒業後、15年にわたって市内の保育所に勤めた。夢だった職場で目の当たりにしたのは貧困や子どもの障害に思い悩む保護者の姿。「良い保育をするには世の中を変えないといけない」。その思いが政治家を志した原点だ。

 35歳で旧東出雲町議になり、市議時代を合わせて議員歴は通算33年に上る。特に思い出深いのは、市内の小中学校の全教室にエアコンを設置できたことだった。市議会で声を上げ続けた結果、他会派議員の賛同も得て実現にこぎつけ、「市民の思いが市に届いた」と実感を込める。

 市中心部で生まれ、幼少期から茶の湯に親しんできた。今も月2回は稽古に励み、家元から「宗慶(そうけい)」の茶名をもらったほどの腕前だ。「松江をもっと着物の似合う町にしたい」とも語る。

 最も好きな場所は白潟公園。子どもの頃によく遊び、大人になってからは夫とのデートスポットになった。「あるがままの松江を子どもたちに引き継ぎたい」。未来の松江に思いをはせる。東出雲町揖屋。

政策アンケート

【経済対策】

(質問)新型コロナウイルスの感染拡大を踏まえた経済支援策や中長期的な産業振興策をお示しください。

 松江市中小企業・小規模企業振興条例を生かし、地域経済を支える中小企業への予算を抜本的に増額し、技術開発、販路拡大、後継者育成で地元業者への支援を強化する。公共事業は地域密着・くらし福祉充実型に転換し、地元企業への発注増を推進する。住宅リフォーム助成制度を拡充し、地域の仕事と雇用の拡大を図っていく。

【原発再稼働】

(質問)島根原発2号機の再稼働の是非や避難計画の課題認識、エネルギー政策の在り方についての考えをお示しください。

 島根原発の直近には活断層が走り、30キロ圏内には約46万人が生活し、そのうち、県内には入院患者・社会福祉施設入所者が約1万5千人、3万人超の在宅要援護者が暮らしている。災害時要援護者などの対策も含め実効性のある避難計画は未策定で2号機の再稼働は認められない。安全・安心の再生可能エネルギーを推進していく。

【周辺部対策】

 (質問)人口流出や高齢化が進む旧町村エリアについて、地域力の維持と振興に向けた具体策をお示しください。

 合併によって、支所の人員・機能などが大幅に縮小され、住民サービスが低下した。中心市街地への集約だけが推進され、周辺部が切り捨てられるようなことがあってはならない。地域住民との合意形成のもと、災害などから市民の命と安全を守るためにも、拠点施設としての支所機能を抜本的に拡充していく。

【子育て支援】

 (質問)若い世代の結婚、出産に対する支援や子育て環境の充実に向けた考えをお示しください。

 保育所、放課後児童クラブの待機児童ゼロを目指す。学校給食費、通院医療費を中学卒業まで無料にする。子ども1人当たり3万7820円にもなる国民健康保険料の均等割をなくす。子育てしやすい働き方、賃金・労働時間短縮の保障、就学援助・児童扶養手当の拡充、返済不要の奨学金の拡大など子育て世代の負担を軽減する。

【まちづくり】

 (質問)線引き制度の是非や空き家対策のあり方を踏まえながら、まちづくりの方策をお示しください。

 線引き問題は、近郊農業を守ることや都市計画税の賦課の問題、人口減少時代を迎えた今後の土地利用のあり方を含む松江のまちづくり全体に関わる重要な問題を含んでおり、十分な議論と市民合意が欠かせない。「空き家バンク」事業は重要な取り組みであり、より適切に機能するよう市としての関与を積極的に強化していく。

【庁舎建て替え】

 (質問)市役所本庁舎の建て替え事業の進め方や、目指す政策決定のあり方をお示しください。

 現庁舎は老朽化しており、地震に耐える新庁舎建設は必要な事業だ。しかし、当初120億円とされた建設費が150億円に増額となった際、市民への丁寧な説明が不十分だった。コロナ禍で経済や行政、生活のあり方が変わる中、市民の理解と合意なしに建設を強行したことは市政への不信を広げた。市民が主人公の市政とすべきだ。

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