第2次世界大戦中、旧ソ連がポーランドの将校ら2万数千人を虐殺し、現在のロシア西部の森に埋めた「カティンの森事件」。「独ソ戦最大の謎」ともいわれ、巨匠アンジェイ・ワイダ監督も映画「カティンの森」で題材としたが、日本人で知る人はそう多くないだろう。

 ノンフィクション作家の小林文乃さん(45)は、この事件にこだわった。犠牲者の中におそらくたった一人、女性がいたこと、彼女が優秀な飛行士であったことを知って、衝撃を受けたからだ。

 名前をヤニナ・レヴァンドフスカという。小林さんは彼女の足跡を追ってポーランドへ、そしてロシアを訪ねる。ヤニナはその姿をなかなか見せてくれなかった。苦労の末、書籍「カティンの森のヤニナ」を書き上げ、2023年に出版した。ヤニナはなぜ空を目指し、殺されたのか。小林さんに聞いた。(共同通信編集委員=田村...