闇の中で無数の炎が揺らめいていた。

 熊野の神々が最初に降臨したとされる和歌山県新宮市の神倉神社。山中の神域に、ご神火がともるたいまつを持った約1500人の白装束の男たちがひしめき合う。ウオオ。雄たけびのような声が響く。山門が開放されると若者らが石段を駆け降りていく。その後にゆっくり歩いて下る男衆が列になって続き、父に連れられたあどけない子どももいる。

 毎年2月6日の「御燈祭り」は男の祭りだ。地元以外からも参加でき、女たちは男た...