米メルクなどが開発中の薬「モルヌピラビル」(ロイター=共同)
米メルクなどが開発中の薬「モルヌピラビル」(ロイター=共同)

 【ワシントン共同】米医薬品大手メルクなどは1日、開発中の新型コロナウイルス感染症の飲み薬について、患者の入院や死亡リスクを半減させる効果がみられたとの臨床試験(治験)結果を発表した。米国内での緊急使用許可の申請を急ぐとともに、世界各地でも製造販売承認の取得を目指したいとしている。承認されれば、ウイルスの侵入や増殖を防ぐ抗ウイルス薬で、コロナの飲み薬としては世界初となる可能性があるという。

 開発中の薬は「モルヌピラビル」。点滴など医療関係者の関与が必要だった従来の薬とは異なり、自宅で服用できるため、医療機関の負荷が軽減されるとの期待もある。

 同社によると、治験に参加したのは発症から5日以内の入院していない成人で、症状は軽度から中程度だった。肥満や高齢など一つ以上の重症化リスクがあった。

 8月までに得られた775人分の中間解析によると、服用から29日目時点で入院したり死亡したりした人の割合は、開発中の薬を飲んだグループは7・3%だったが、偽薬を投与されたグループは14・1%で、入院や死亡のリスクが半減した。

 副作用は両者でほぼ差がなかった。治験は日本や欧米などの170カ所以上で実施された。メルクはこの治験とは別に、患者と同居する人に投与して家庭内感染を防げるかどうかも調べている。

 新型コロナの飲み薬を巡っては、塩野義製薬も含めて世界の各社が開発にしのぎを削っている。

 

▼新型コロナの飲み薬 マスク着用や対人距離の確保、ワクチン接種と並び、ウイルスが細胞内で増殖するのを阻む経口タイプの抗ウイルス薬は、新型コロナウイルス対策の要とされる。安価で扱いやすいため、開発途上国での活用も期待されている。米メルクは年内に生産を始め、来年には拡大する見通し。米ファイザーやスイスのロシュ、日本の塩野義製薬も開発を進めている。