松江市で来月上演されるミュージカル「あいと地球と競売人」のポスターが完成し9日、松江市外中原町の城西ニコニコ交流館で披露された。益田市出身で筋ジストロフィーで闘病中のデザイナー西坂久己さん(43)が、多様性が当たり前に受け入れられる世界の実現を願い、手掛けた。(多賀芳文)
ミュージカルは11月20、21、23の3日間、松江市美保関町のメテオプラザで全6回公演する。
1994年から始まった公演の今年のポスター制作は、ミュージカルを支援する松江しんじ湖ロータリークラブ(幡宏明会長)が西坂さんに依頼。西坂さんは試作を重ね、多様な色や形のパズルのピースを人々が地球にはめ込んでいく姿を描いた作品を作り上げた。
ミュージカルを演出する和田史朗さん(74)は「障害者や健常者、性別や国籍にとらわれず、皆が地球の構成員だという公演にも通じるメッセージが伝えられる」と感謝。西坂さんは「試作を繰り返した渾身(こんしん)のポスターになった。ミュージカルの成功を願いたい」とコメントした。
あいと地球と競売人は、出雲市斐川町の坪田愛華さんが1991年に12歳で亡くなる直前に地球環境の大切さを漫画で描いた「地球の秘密」が原作。1994年から2013年までほぼ毎年上演し、18年から自主企画として公演が復活した。