立候補者の訴えを聞く市民=浜田市内
立候補者の訴えを聞く市民=浜田市内

 浜田市長選が10日告示され、現職と新人による一騎打ちの選挙戦が始まった。組織戦を展開し、2期8年の実績を前面に打ち出す現職に、特定の団体の推薦を受けない新人が挑む構図で、市政の継続の是非を巡り舌戦を繰り広げた。

 届け出順に、元市議で無所属新人の西川真午氏(55)、3選を目指す現職の久保田章市氏(70)=自民、公明推薦=が立候補した。

 有力な支持組織を持たない西川候補は中学、高校の同級生、市民活動の仲間を中心に支持拡大を目指す。

 組織力の弱さが課題となる中、陣営は人柄や市議としての経験をアピール。第一声でマイクを握った地元、松原町1町内の松下修行町内会長(85)は「見識、知識、実行力を兼ね備えている。できる男、やれる男、頼んだこと以上のことをやってくれる男だ」と訴えた。

 対する久保田候補の出陣式には、推薦する自民、公明両党、連合島根、地元経済界の幹部らが顔をそろえた。

 国会議員らが、山陰道の整備促進や産業振興に取り組み、全国市長会副会長を任されるようになったと応援演説。自民党の大屋俊弘県議は「国や県と強い関係がある」、連合島根の成相善朗会長も「企業立地を進め、働く場を確保した」と持ち上げ、支持を求めた。(勝部浩文)

 

第一声要旨(上から届け出順)■

西川真午氏 歴史資料館止めなければ
 市議の立場では浜田市を変えられないと思い、立候補した。市は約7億5千万円の費用をかけ、浜田歴史資料館の整備計画を進めようとしているが、皆が望んでいることだろうか。誰かが止めなければならない。市町村合併後の一体感は醸成されず、旧浜田市、旧那賀郡で溝がある。市民の声が市政に届いているとは言い難い。変革が必要で新しい風を起こす。現職と違い、どの政党、団体の支援も受けずに戦う。知名度は劣り厳しいが、しがらみがない。市民の声を存分に生かした政治の実現を目指す。

久保田章市氏 住み良さへの施策進める
 8年間、元気な浜田をつくるため、さまざまな施策に取り組んだ。水産業は高度衛生管理型荷さばき所を整備し、はまだお魚市場をリニューアルさせた。ふるさと納税は8年間で約100億円を集め、中国地方ではトップだ。直近1年半は新型コロナウイルス対策に全力を挙げた。浜田市版の持続化給付金で事業者に最大60万円を給付し、ひとり親や学生への支援も進めた。コロナ禍は続く。個人、事業者ともに必要な支援にしっかり取り組む。住みたい浜田、住んで良かった浜田をつくるための施策を進める。