大田市大森町の世界遺産・石見銀山遺跡中核地域に、東京都からIターンした和田雄太郎さん(34)が今月、酒販店をオープンした。古き良き伝統文化に価値を見いだす地域の雰囲気に引かれ、移住を決断。観光客らに地酒などを販売し、多くの人々が集う交流拠点となる青写真を描きながら店頭に立つ。 (錦織拓郎)
埼玉県出身で東京都内の酒販店に勤めていた和田さん。Uターンを望んでいた境港市出身の婚約者と共に何度も山陰を訪れて知り合いもでき、移住と独立を決心した。
4月以降、本格的に物件を探し、たどり着いたのが緑豊かな公開坑道・龍源寺(りゅうげんじ)間歩(まぶ)近くにある飲食店跡だった。観光で訪れたことはあったが、歴史的な町並みと共生する地域の取り組みを知るにつけ「未来がある町だと思った。自分のやりたい仕事と雰囲気も合う」と考えた。
大量生産・大量消費の商売の仕方に疑問を覚え、「本当に魅力ある商品を提供したい」という信条を持つ。販売するのは山陰両県の地酒、クラフトビールに加えワイン、焼酎など約130種類で、山陰産のつまみも今後取り扱う計画だ。「より知識を広げてお酒を販売したい」と酒造りの勉強にも意欲的で、「観光客だけでなく地元の方にも気軽に来てもらい、交流できる場所にしたい」と力を込める。
酒販店「リカーショップアンボア」は営業時間午前10時~午後6時で、毎週月・火・水曜が定休日(不定休あり)。インターネット通販も手掛ける。













