玉造温泉街を散策する県外客=7日、松江市玉湯町玉造
玉造温泉街を散策する県外客=7日、松江市玉湯町玉造

 国がワクチンの接種証明を活用した行動制限の緩和策を検討する中、接種済みの人を対象にした宿泊、旅行商品が山陰両県に相次ぎ登場している。緊急事態宣言の9月末での全面解除や秋の行楽シーズン到来もあって予約は好調で、観光需要は回復しつつある。

 玉造温泉の白石家(松江市玉湯町玉造)は9月下旬、緊急事態宣言の全面解除を見据え、ワクチン接種を2回受けた人の宿泊代を10%割り引くプランを発売した。接種記録のシールを貼り付けた接種済み証をフロントで提示してもらう。

 山陰両県民が半額割引(上限5千円)を受けられる「WeLove山陰キャンペーン」との併用は不可とし、WEB企画課の佐藤太陽係長は「WeLoveが適用されない県外客向けプランとして売り出した」と説明する。10月の予約は9月の約1・5倍となり、県外割合が6割と伸びをけん引しているという。

 旭温泉のかくれの里ゆかり(浜田市旭町木田)は、ワクチン接種済み(2回)を証明すると2千円引きとなるプランを9~10月の期間限定で販売。県外客を中心に予約が増え始め、今月は土曜日が全て満室となった。

 接種済みプランの拡充や期間延長の検討も近く始める予定。国の運用で接種証明書の活用が始まれば「利用がはかどり、特典付きプランの流れが一層進む」と大賀尚樹専務は予測する。

 山陰両県から県外旅行に出掛ける動きも活発化してきた。農協観光山陰統括支店(松江市灘町)は宣言解除以降、県外行きのグループ旅行の見積もり相談が入り始めた。

 これを受け、11月催行の東北や北陸ツアーの商品を新たに投入した。参加者はワクチン接種を2回済ませたかPCR検査で陰性の人に限定する。徳田勇人支店長は「実証実験的な試み。心配を抱えながらではなく、安心して開放的に旅行を楽しんでもらえるようにしたい」と話した。