組織力に勝る久保田章市氏が、西川真午氏に約600票差の肉薄を許す結果になったのは、現市政に対する物足りなさが、市民の間で予想以上に広まっていたことを示す。

 水産業と観光振興を目的とした施設整備、子育て支援の充実、ワクチン接種の推進をはじめとした新型コロナウイルス対応など、手堅い市政運営に対し一定の評価はあった。

 しかし、市が旧市町村単位で設けた自治区を3月末で廃止したことで、衰退が続く周辺部の声が届きにくくなったとの反応は少なくない。中心市街地では、浜田歴史資料館(仮称)の建設計画を進め、約7億5千万円という事業費や必要性を巡って市民の賛否が分かれている。

 自治区制度の終了を批判するとともに資料館建設反対を掲げた西川氏に支持が集まったのは、8年続いた現市政に市民が不満を募らせている証左だ。

 特に2期目の4年間では第3子以降に出生祝い金を支給する施策、アイススケート場の存廃問題など、市議会や関連団体の批判や指摘を受けて、軌道修正する場当たり的な対応も目立った。今後4年間は、信頼を取り戻すため、主体性を持った市政のかじ取りと、市民への丁寧な説明が一層求められる。

 (西部本社報道部・勝部浩文)