JR西日本は19日、山口線の「SLやまぐち号」として運行している蒸気機関車(SL)D51形200号機1両の台車に、定期検査で3カ所の亀裂や傷を見つけたものの、国土交通省に報告したのは2カ月半以上後だったと発表した。JR西は「速やかに社内で共有し関係機関にも報告すべき事象だった」としている。
国交省近畿運輸局も、今回の亀裂や傷は速やかに同局へ報告するべきものだったとみており、JR西に改善を求める。
JR西によると、検査を担当した部署は梅小路運転区(京都市)。7月下旬、検査の係員が、石炭や水を積む部分の1938年製の台車に長さ60~70ミリ、深さ5~15ミリの亀裂や傷を確認した。だが、運転区は「危険性は小さい」と判断。検査などを統括する同社の部署に知らせたのは、9月末に全ての検査を終えた後だったという。同社は今月18日、近畿運輸局に報告した。この間、運行はしていなかった。
亀裂などは経年劣化によるものとみられる。2019年3月の前回検査の際にはなかった。JR西は補修した上で、今後も島根県と山口県の間でこのSLを運行する。