24日に投開票された島根県津和野町長選で4選を果たした無所属現職の下森博之氏(56)は、人口減少や観光振興など山積する課題に対し「3期12年の実績を生かし、一つ一つ解決していきたい」と決意を新たにした。 (石倉俊直)
下森氏は今年6月に立候補表明。出身の旧日原町の町議らが支えた。
選挙戦では、5月に旧日原町に本庁舎を整備したことなどに伴う旧津和野町側からの不満がくすぶる中、新型コロナウイルス対策や津和野高校の魅力化事業による入学者増加といった実績をアピール。多選批判に対しては、培った国や県とのパイプを今後も生かせると強調し、理解を求めた。
午後9時20分ごろ、津和野町枕瀬の報告会場で当選の知らせを受けると、支持者約60人から拍手で祝福された。
前回選から投票率がアップし、関心が高まった選挙戦を制したことに「皆さんのおかげだ」と感謝。対立候補に約4割の票が入ったことについては「住民との対話が不十分だった。今後、住民と膝をつき合わせ、声をより聞いていく」と述べた。
敗れた無所属新人で元会社役員の松本亨氏(54)は午後9時半ごろ、後田の事務所で約70人に「皆さんに、津和野の町に申し訳ない」と頭を下げ、今後については「考えていない。一回限りと決めていた」と述べた。