新型コロナウイルスの影響による主食用米の価格下落を受け、島根県が稲作経営安定化の緊急対策資金を創設した。収入が落ち込む農家に融資し、当面の資金繰りを支える。米価下落を受けた対策資金は2014年以来、7年ぶり。

 コロナ禍でコメの外食需要が減少し、厳しい販売見通しから、JAしまねは21年産米の買い取り価格(60キロ当たり)を20年産比で銘柄別に2200~2千円引き下げた。

 国の収入減少影響緩和交付金(ナラシ対策)は、加入していれば、収入減少分の9割が補てんされる。ただ拠出金に応じて最大20%までの減収しか対応しておらず、さらに交付時期が翌年5月下旬以降となるため、県は農家のつなぎ資金としての活用を想定し、支援を決めた。融資枠は5億円。

 主食用米の収入額が前年比で15%以上減少した農家が対象で、運転資金を用途に融資額は減収額の範囲内とする。借入期間は5年以内で、融資利率はJAしまねの利子補給により年0・1%。県農業信用基金協会の保証が必要となる。

 全国的なコメ余りで価格が下落した14年の対策資金は、認定農業者と集落営農組織を対象としたが、今回は小規模農家にも広く影響が及ぶと判断し、農業所得が総所得の過半や、農業粗収益が200万円以上の農業者なども含める。

 JAしまねが受け付け、取り扱いは来年6月30日まで。

 県は県産米の消費拡大キャンペーンも始める。スーパーなどで売られる5キロ袋を、価格を据え置いたまま6キロ入りにして販売する。増量1キロ分は袋詰めするコメ卸業者に対し、県が助成する。   (奥原祥平)