<短歌> 宮里 勝子選
軍配の団扇が返る土俵にて力士は確と息を合はせる 雲 南 熱田 一俊
【評】相撲の勝負は立ち合いの一瞬が大事だと解説者のことばをよく耳にする。特に上位の取り組みは、立行司が団扇を返すと同時に両力士が手をつき立ち上がる間合いは気持ちが良い。相撲は勝負のみではなく、相手を思う気持ちが大切との伝統が一首に伝わる。特に四・五句が味わい深い。
若き日に月賦で買ひし足踏みのミシンベルトの摩り切れるまで 松 江 河本 幹子
【評】かつてはローンと言わず月賦でした。ミシンは高価な買い物で、自分で手入れ...