<俳句>

 ◇四葩会(松江市)

青桐や海向く旅籠ひっそりと 石倉かずえ

風受けて風に乗りたる軒風鈴 深井サエ子

故郷の思ひ出包む粽かな 大草 智美

麻暖簾なじみの文字の薄れかな 金織 豊子

痩せ猫のそろり擦り寄る夏の浜 寺田 悦子

抱卵の日々や声無き燕の子 小村 絹代

 ◇山陰中央新報文化センター俳句講座句会(松江市)

涼しさや奇岩あらはな岨の径 大内 英之

蛍の夜だれかに呼ばれてゐたやうな 長田 匡弘

姫君の屋敷なりしと庭蛍 片山 紀子

夏山に吸ひ込まれさうな夕日かな...