政府のイベント制限の変更点
政府のイベント制限の変更点

 政府は1日、新型コロナウイルス対策として、東京都など27都道府県で開く大規模イベントに求めた1万人の観客数上限を解除した。今後は全国で、声援など大声を伴うイベントは収容定員の50%を上限とする。大声を伴わない場合は5千人または収容定員の50%のうち多い方を上限とする。大観客を動員するプロ野球やJリーグでは観客数の拡大に期待がかかる。音楽ライブでもチケットの追加販売などの動きが出そうだ。

 プロ野球ヤクルトは1日、東京都新宿区の神宮球場で今季最終戦を行った。セ・リーグ優勝決定後初の本拠地での試合ということもあり、収容人員の半分に相当する約1万4500人のチケットは前売りで完売。観衆は1万4253人と発表された。

 10日から行うクライマックスシリーズ(CS)ファイナルステージでは、行動制限緩和に向けた国の実証実験の約5千人分を加え、上限2万人で販売する。実験ではワクチン接種や検査の陰性記録に基づく「ワクチン・検査パッケージ」を適用し、対象者の座席をそれ以外の観客席と隔てる。

 3日のJリーグはJ1で10試合が予定され、横浜M―G大阪の日産スタジアムの試合は3万人の動員を目指す。既に2万枚超が売れたという。今季のJ1では最多の入場者数となる見込みだ。

 政府は9月末に緊急事態宣言やまん延防止等重点措置を解除した27都道府県を対象に、1カ月程度の経過措置として1万人の人数上限を設けていた。

 これまでは例えば5万人収容の会場でイベントを開く場合、27都道府県では1万人を上限としていたが、今後は全国で50%以内の2万5千人まで入場が可能となる。地域の感染状況によっては、各都道府県知事が独自の制限を課すこともある。