鳥インフルエンザ 今季の発生状況
鳥インフルエンザ 今季の発生状況
鳥インフルエンザが確認された鹿児島県出水市の養鶏場で進む殺処分作業=15日(同県提供)
鳥インフルエンザが確認された鹿児島県出水市の養鶏場で進む殺処分作業=15日(同県提供)
鳥インフルエンザ 今季の発生状況
鳥インフルエンザが確認された鹿児島県出水市の養鶏場で進む殺処分作業=15日(同県提供)

 高病原性の鳥インフルエンザが、今季も全国的に猛威を振るう懸念が高まっている。鶏の殺処分数が過去最多だった昨年度に続き、既に一大産地の鹿児島を含む3県で4例が発生し、合計の殺処分数は30万羽を超えた。異なる由来のウイルスが確認されており、農林水産省は「国内のどこで発生してもおかしくない状況」と警戒を呼び掛けている。

 今季の4例は11月10~17日に感染の疑いがある「疑似患畜」と判明し、殺処分や養鶏場の消毒といった防疫措置を22日までに終えた。養鶏場の殺処分数は1例目の秋田県横手市が約14万4500羽、2~3例目の鹿児島県出水市が約3万8500羽と約9200羽、4例目の兵庫県姫路市が約15万6500羽。計約34万8700羽に上る。

 中でも鹿児島県は採卵鶏の飼養羽数が全国2位(今年2月時点)の一大産地。二つの養鶏場から鶏や卵の移動や搬出が制限される半径10キロ圏内では、約550万羽が飼われている。

 ウイルスの遺伝子検査では、1例目と3例目が昨年国内で流行した「H5N8型」で、2例目と4例目が今季欧州で流行している「H5N1型」だった。1~3例目の養鶏場の周囲には感染源となり得る野鳥が来るような水場があり、農水省の担当者は「リスクの高い地域は衛生管理の水準をさらに高めてほしい」と話した。

 昨年度は18県で52例発生し、殺処分数は計約987万羽に上った。