キノコのリゾットや炊き込みチャーハンなど災害時用の備蓄食を毎月送るサービスを、島根県邑南町上田所の農業沼田高志さん(32)が始めた。自身が生産した米を使ってオリジナルメニューを考案。新型コロナウイルス禍で人気が高まるキャンプでの利用も勧める。
兵庫県淡路島出身の沼田さんは就農のため2012年に邑南町にIターン。3年前からコメを作り、広島市内の飲食店などに販売していたが、コロナ禍の影響で売り上げが減り、新たな販路を開拓しようと非常食の開発に至った。
日常的に非常食を食べ、買い足すことで常に新しい非常食を備蓄する「ローリングストック」と呼ばれる保存法から着想した。
初めに4合炊きのメスティンとよばれるアルミ製の調理器具と食材のセット(5700円)を購入する。その後は毎月2千円で月に1回、2食分(1食3~4人分)の無洗米と乾燥野菜などの具材、調味料、加熱用の固形燃料が届く。
調理方法は、メスティンに送られた具材や調味料を入れ、燃料で加熱するだけ。浸水時間30分~1時間と、加熱の約30分で完成する。月ごとに違ったメニューを考案する沼田さんは「災害に備えつつ、月1回の楽しみとして気軽に味わってほしい」と話した。
購入は沼田さんの通販サイト(https://onansasa.stores.jp/)。
(糸賀淳也)