厚生労働省の専門部会は15日、米モデルナ製の新型コロナウイルスワクチンを3回目の追加接種に使うことを了承した。1回当たりの投与量はこれまでの半量となり、多くの人に打てるようになる。早ければ16日に厚労省が特例承認し、無料で接種することを正式決定する。

 新変異株「オミクロン株」への懸念から、岸田文雄首相はモデルナ製を活用して原則8カ月とされた2回目からの接種間隔をできる限り前倒しする方針を表明している。来年1月から本格化する住民接種や、3月に始まる職場接種でも使う。

 政府は2回目までとは異なる製品を選んで打つ「交差接種」を認めている。3回目はモデルナ製の供給割合が増える見通しで、政府は接種の検討を呼び掛けている。

 接種は18歳以上が対象で、2回目から6カ月以上たてば接種を認める。日本での流通を担う武田薬品工業が11月に申請していた。

 臨床試験(治験)では、2回目から6カ月以上を空け、これまでの1回当たりの半量を投与。ウイルスが細胞に侵入するのを防ぐ中和抗体の量が、2回目接種の1カ月後の約1・7倍となり、半量でも十分な効果が確認できたという。