出雲市長選が4日告示され、無所属新人の3人が名乗りを上げた。新型コロナウイルスの影響で疲弊した地域の立て直しが求められる中、12年ぶりの新リーダーを決める舌戦が始まった。(三原教史、月森かな子、松本直也)
立候補したのは、届け出順に、元市議の川光秀昭氏(62)、建設会社社長の小豆沢貴洋氏(46)、元市議の飯塚俊之氏(55)の3人。
川光氏は2月に自民党を離党し、総額75億円と見込まれる新体育館建設事業の再検討を求める住民団体の支援を受ける。第一声では市民有志でつくる明るい出雲市を創る会の陶山和美代表がマイクを握り、「体育館の予算をコロナ対策や子育て支援に振り向けるにはこの1週間が大切だ」と鼓舞した。
小豆沢氏は旧出雲市内や旧斐川町内の経営者仲間に支えられ、自民党県議の後援会員の一部も支援に回る。市中心部の街頭演説には商店主や子育て世代の男女が集まった。市内で会社を経営する江角彰宣選対本部長は「斬新な考えとエネルギーがあり、新しい市への転換ができる」と世代交代の必要性を力説した。
飯塚氏は自民党県連や公明党県本部、連合島根などが推薦。第一声には出雲選挙区選出の県議9人のうち、共産党県議を除く8人が顔をそろえた。選対本部長を務める森山健一県議は「山陰地方を引っ張ることのできる市長候補だ」と訴え、3期12年の市議経験に基づく即戦力を強調した。
出雲市長選は2013年の前々回選が無投票、17年の前回選は現職と支援組織のない新人の戦いで、活発に論戦が交わされるのは09年の市長選以来となる。