龍崎 孝氏
龍崎 孝氏

2020年政治とオリンピック

 五輪後 衆院解散風吹く

 山陰中央新報社の島根政経懇話会と米子境港政経クラブの定例会が15、16の両日、松江市と米子市でそれぞれ開かれた。元TBS政治部長で流通経済大教授の龍崎孝氏(59)が「2020年 政治とオリンピック」と題し講演。東京五輪・パラリンピックで政治的空白が生じる影響を踏まえ、衆院解散の時期や「ポスト安倍」を予測した。要旨は次の通り。

 五輪一色に国内が染まる今年は例年より政治日程が窮屈だが、その隙間で政治の変動が起きるだろう。1972年は田中内閣が誕生し、96年は村山内閣から橋本内閣に変わった。いずれもねずみ年だった。

 焦点の一つは、いつ解散するかだ。今月20日開幕の通常国会冒頭▽春の予算成立後▽五輪直前の通常国会閉幕時▽五輪後の臨時国会冒頭-が考えられる。

 最も常識的な見方は五輪後。春に控えた中国の習近平国家主席の来日、夏の五輪開催を考えると、秋までは大きな動きはしにくい。

 ただ、五輪直前の通常国会閉幕時に解散する可能性はある。選挙を仕切る自民党の二階俊博幹事長は「誰も考えていない時に選挙をするのが勝つ秘訣」と考えている。障壁は、国際オリンピック委員会が五輪開催条件の一つに掲げた「政治的な安定」を確保できるか。直前に首相が交代するのはあまり望ましくない。

 「桜を見る会」やカジノを含む統合型リゾート(IR)事業を巡る問題で安倍晋三首相の「神通力」が低下している。新しい自民党総裁を決めた上での解散もあり得る。

 ポスト安倍争いがこれから、急速に機を熟してくるだろう。ただ、自民党内の権力闘争が予想され、簡単に本命とされる岸田文雄政調会長で決まりとはならない。対抗は、菅義偉官房長官が支える河野太郎防衛相。安倍政権への批判が高まれば石破茂氏の人気が上がる。

 今年の政治は五輪と無縁ではない。二階幹事長が奇策を打ってこない限り、前半は静かに準備が進み、五輪が終わった途端に解散の動きが噴き出すだろう。