力作の数々を鑑賞する来場者ら=米子市中町、市美術館
力作の数々を鑑賞する来場者ら=米子市中町、市美術館

 【米子】鳥取県美術家協会(加藤哲英会長、79人)の第26回作品展が23日、米子市中町の市美術館で始まった。新型コロナウイルス禍でも創作意欲を失わず、無心に絵筆を振るった洋画や日本画など新作68点が来場者の感性を揺さぶる。26日まで。入場無料。

 洋画歴67年になる小谷悦夫さん(米子市)の「モレ・シュル・ロワン」(30号)は、18年前に訪れたフランスのモレ集落のたたずまいを描写。老練な筆遣いで新緑に彩られた水辺の街並みを見事に浮かび上がらせている。

 満開の桜を題材にした国野愛蘭さん(鳥取県大山町)の日本画「さくら」(20号)は枝ぶりの一部を切り取った斬新な構図で春らんまんを表現し、来場者の目を和ませている。デジタル水彩画などもあり、夫婦で鑑賞した宇田川昇さん(66)=島根県奥出雲町佐白=は「写真が趣味だが、作品からにじみ出る作家の思いや構図が参考になる」と話した。

 自らも出品した加藤会長(74)は「コロナ禍前より作品に込める各会員の情熱がほとばしっている。この機会に絵画に親しんでほしい」と呼び掛けた。

  (山根行雄)