第三章 シャチョウの笑顔(28)

 僕は、まだ心のどこかでスラマット君の死を引きずっていた。

 ほの暗いカウンター席の奥。仙(せん)川(かわ)先生の隣に座るマスク姿の男性と視線が合い...