島根県内での新型コロナウイルス感染が低年齢層で広がっているとして、県は23日、雲南市三刀屋、木次両町の計8小中学校について部分休校を要請した。市は中学3年を除き、24日から3月2日まで休校することを決めた。
県は松江市にも同様の要請をしたが、市は、従来通り感染者が確認された学校の状況に応じて学級、学年閉鎖、休校措置を取るとして対応が分かれた。
2月中旬以降、雲南市内の児童施設や松江市内の学校でクラスター(感染者集団)が発生している現状を踏まえ、県が要請に踏み切った。県による小中学校の休校要請は1月19日以来で両市へは初めて。
23日夜には、丸山達也知事が、要請を受け入れる方針を決めた雲南市の石飛厚志市長とオンラインで会談して対策を求め、石飛市長は「感染の状況を踏まえると、子どもたちを含む市民の安全安心を図るため、休校措置はやむを得ない」と述べた。市は、小学校低学年で家庭の見守りが困難な児童は、学校で預かるなどの対応を取る。
一方、松江市は22日までの直近1週間で、市内小中学校の児童生徒の感染者数は30人で、全体(約1万5500人)の0・2%などと指摘。感染者の判明ごとに各学校が対応しているとして、一斉休校は見送る考えを県に伝えた。
上定昭仁市長は「一斉出校停止は保護者への負担が大きく、学年末における貴重な学習機会を確保するためにも、慎重に判断すべきだと考えている」とのコメントを出した。
丸山知事は、会議終了後の取材に対し「学校での感染が広がる手前まで来ているが、情報の評価が(松江市と)違い、残念だ」と述べた。
県教育委員会は雲南市の三刀屋高校と、松江市内7校の県立高校計8校について1、2年を対象に26日から3月6日まで休校とする。
(多賀芳文)