放射冷却現象の影響で山陰両県は10日朝、濃い霧が発生し、宍道湖や中海の沿岸などが白く覆われた。
松江、鳥取両地方気象台によると、放射冷却で地表付近の空気が冷やされた際に発生する「放射霧」。島根の東部と西部は約4時間、鳥取の西部は約5時間半にわたり濃霧注意報が発表された。
松江市内では午前6時すぎから同8時ごろまで100メートル先が見えない状態が続いた。視界を良くしようとライトを点灯して走るドライバーの姿も見られた。
宍道湖岸の同市袖師町では午前9時を過ぎても、うっすらと霧に覆われた。霧に包まれた嫁ケ島を撮影しようと訪れた松江観光協会職員、西富由季さん(42)は「この時間になっても霧がかかることは珍しい。思わずカメラを持ってきた」と話した。
松江市内では1日夜にも車の運転が困難になるほど濃い霧が発生した。
(原暁)