モーションキャプチャーシステムでキャラクターを操作する教員=浜田市熱田町、浜田商業高校
モーションキャプチャーシステムでキャラクターを操作する教員=浜田市熱田町、浜田商業高校

 浜田商業高校(浜田市熱田町)が、人間の動きに合わせて映像上のキャラクターが動くモーションキャプチャーシステムなどを導入した「3D環境スタジオ」を設置した。若者に人気のVチューバー(バーチャルユーチューバー)にも利用される最先端技術を生徒に触れてもらい、地域イベントでの活用も検討する。 (宮廻裕樹)

 

 モーションキャプチャーは人や物の動きをデジタルに記録する技術。カメラ16台からの照射光が、人の全身に装着する54個のマーカーに反射して位置を認識する。異なる角度に置かれた各カメラの位置情報と組み合わせることで、立体的な人の動きを表現することができる。

 17日は教員2人が専用スーツを着用し、操作を実演した。女子高生をモデルにした同校の公認キャラクター「生徒会長」をモニター画面に登場させ、腕や足を伸ばし、屈伸や走り回るなどして、わずかな動きもキャラクターに瞬時に反映されるバーチャルの世界を体感した。

 スタジオ内には立体物に色や文字を印刷できる「UVプリンタ」や、立体物をデータ変換できる「3Dスキャナ」も設置した。4月から本格運用し、課題研究の授業や地域イベントでの利用を予定している。

 同校がデジタル教育に生かそうと導入を計画し、事業費は約3千万円で県が国の補助金も活用して予算を付け実現した。石崎敏彦教諭(46)は「商業高校の魅力を伝えるとともに、地域を盛り上げるきっかけにしたい」と話した。