今日もまた山の手入れに向かう夫終(つい)の仕事と決めしが如く     浜 田 髻谷久美子

  【評】農事の暇な冬季にと、山仕事に向かわれるのでしょう。間伐あるいは枝落とし に日毎努められる姿にご主人の思いを汲まれる作者。ご主人はこれも「家を継ぐ」仕事 の一つとして努力されているのです。その点「終の仕事」に重みがあります。

声援のなくても伝わるものはある思いの力五輪にてみる      松 江 宮本朝陽香

  【評】無声援はコロナ感染を恐れての窮策。応援席から聞こえるのは拍手の音のみ。 でも、それが応援者の熱い「思い」となって選手に伝わるというのです。新型...