ー2024年6月に、人工関節の置換術を支援するロボットを導入しました。
山陰両県唯一の最新鋭機で、骨をどの程度削れば良いかなど、数値に基づいて的確な指示を出します。技術と経験がある医師も、正確さではロボットには勝てません。導入により医師、患者双方がより安心感を持ってもって施術に臨むことができるようになりました。

ー人工知能(AI)をはじめ、医療分野に最新技術が取り入れられています。
これまで医師が経験に基づく「感覚」でやってきたことが全て数値化されます。また、時に想像できない施術のアイデアも提示します。データで示されることで、医師の感覚がさらに磨かれるといった利点もあります。これからは、最新機器を導入しているかどうかが、患者が病院を選ぶ上で大きなポイントになると考えています。


ーこれまでも最新機器をいち早く導入してきました。どんな狙いや思いがあるのでしょうか。
都会の病院には負けたくないという気持ちです。同じ手術でも病院や機材の環境で質は変わります。「本当は都会の方が良かった」と、仕方しかたなく病院を選ぶ患者を1人でも減らしたいです。可能な限り高い基準で医療行為を提供することが患者の満足度だけでなく、職員のモチベーション向上にもつながります。必要な投資は今後も積極的に行います。

ー25年度の新たな取り組みを教えてください。
4月に消化器科を立ち上げ、AIが組み込まれた最新の大腸内視鏡を導入しました。膨大な臨床データからリアルタイムで画像を判断し、疾患の有無が即座に分かります。大事なのはスピード感です。検査実施までに時間がかかれば患者は心配になるばかりなので、少しでも不安を和らげていきます。人口減少が進む地域では、医療によるケアと経済活動の両方を同時に回していかなければなりません。そのためにも、得意とするリハビリと関節分野をさらに伸ばしていきます。

 

地方の医療、経済に若い力が必要です。 若い人の元気は企業の力とのシナジー効果を大きくもたらします。私たちと一緒に地方を盛り上げましょう。

藤瀬一臣=鳥取県境港市出身(52歳)2015年現職に就任。 
兵庫医科大学卒、鳥取大学医学部整形外科学教室入局後、関連病院勤を経て、2009年より医療法人元町病院勤務、現在に至る。学生時代から続くロックバンド活動で、年1回仲間が集まります。