島根県邑南町を中心に活動する「出羽神楽団(いずわかぐらだん)」(川久保剛史団長)が16日、松江市殿町の県民会館で、同団としては初めて県東部での石見神楽単独公演を開いた。約300人の観客が、豪華絢爛(けんらん)な衣装と激しいリズムから繰り出される迫力の舞を楽しんだ。
美女に化けた鬼女が早変わりしながら派手な舞で魅了する「紅葉狩」、演者と観客の掛け合いで笑いを誘う「戻り橋」、素戔嗚尊(すさのおのみこと)が炎を吹き上げる大蛇を退治する「大蛇退治」の3演目を披露。鑑賞した境港市立上道小学校3年の岩崎はんなさん(8)は「大蛇を退治するところが格好良かった」と笑顔だった。
出羽神楽団は1974年結成。10~60代の約20人が伝統にとらわれすぎず、新しい舞を追求している。
新型コロナウイルスの影響で神楽を披露する場が減る中で、なじみが薄い県東部の人々に見てもらおうと企画。会場の外では「食べる醤油(しょうゆ)」など邑南町の特産品販売コーナーを設けた。
(片山皓平)