第六章 バカンスの夢路(9)

「握手、よろしいですか?」

 僕が手を差し出すと、茂(しげ)次(じ)さんは弱々しく右腕を持ち上げた。動きと同時に手の震えが止まった。

「では、腕の力を抜い...