1頭のクマがつぶらな瞳でこちらを見つめていた。ここはアメリカのカリフォルニア州サウスレイクタホ。クマは、木々が生い茂る住宅街に建つ民家の玄関の約10メートル先にいた。隣家と隔てる柵のそばに横たわっている。じっとしている。最初は置物かと思ったほどだ。だがよく見ると、様子をうかがうように頭だけをわずかに動かしてきょろきょろしていた。
日本でクマによる被害が深刻化する中、ある人気映画に登場する「大物マフィア」も住んだこのアメリカの山あいにある湖畔の街でもクマの出没例が近年増えている。ゴミをあさったり、民家に侵入したりする事案が増えるが、クマは以前から人里近くに生息し、身近な存在でもある。ここで活動するクマ保護団体の代表は、人間とクマ双方の安全にとって「クマに恐怖を与えることが重要だ」と呼びかけ、住民にはエアガンを使って追い払うことも推奨する。保護する立場とはミ...












