第一章 発端の夏(四十)

 矢上が驚いて身を起こすと、脇が物凄い勢いで浅瀬を走り、頭から波に突っ込むのが見えた。脇が全速力で目指す先に、波間に浮いては沈む秋山の姿があった。栄養...