【浜田】1907年創業の久保田味噌麹(みそこうじ)店(浜田市天満町)が、「味噌たまり」を隠し味にした「国産茎わかめ佃煮(つくだに)」を商品化した。地元業者の提案や協力で生まれた商品で、老舗の希少な味を売り込む。
味噌たまりは発酵熟成中にできる液体みそで、たる約60キロから3キロ程度しか取れない。しょうゆと比べて濃厚なうまみが際立ち、塩分が少ない特徴がある。
隠し味に使った茎わかめの佃煮は水津京子社長(68)が自宅で食べる用に作っていた。みその商品で取引があった道の駅ゆうひパーク浜田(同市原井町)の木戸淳社長(54)が訪問した際に食べるよう勧められ、おいしかったことから商品化を打診。製造免許の関係で一度は断念したが、ノウハウを持つ水産加工の大磯(同)に製造委託する形で完成した。
茎わかめの粘りやもっちり感をそのままに味噌たまりで甘みを引き出し、120グラム入り540円。同道の駅などで販売している。
地元産の茎わかめを使った商品も検討しており、水津社長は「浜田産の良い品を発信したい」と話した。(村上栄太郎)