昨春、新型コロナウイルスの影響で中止になった松江市八雲町の春の風物詩「八雲ゆう游(ゆう)こいのぼり」を2年ぶりに成功させようと、町おこし団体「八雲ゆう人会」(15人、石原泰仁会長)が準備を進めている。一度途絶え、復活させた住民の思い入れは深い。今春は5月16日に掲揚を始める予定で、メンバーはコロナ禍の暗い雰囲気をこいのぼりで打ち払おうと気を吐いている。 (中島諒)
行事は、町を流れる意宇川に2~5メートルのこいのぼりを100匹以上泳がせる。1991年に住民グループが始め、担い手不足で2012年に途絶えたが、ゆう人会が15年に後を継いだ。
昨春は開催直前の4月9日に松江市で島根県内初のコロナ感染者が確認され、急きょ掲揚を中止。楽しみにしていた住民から残念がる声、翌年の開催に期待する声が寄せられた。メンバーは「来年は必ず揚げよう」と意を強めていた。
例年だと4月中旬ごろに行うが、今春は大型連休中に見物客が密集するのを避け、安心して見てもらえるよう、5月16日から6月5日に130匹揚げる。期間中は、熊野大社(松江市八雲町熊野)▽かやぶき交流館(同町平原)▽桑並ポケットパーク(同町西岩坂)でもこいのぼりを泳がす。
掲揚に向け、メンバーは定期的に集まって準備に熱を入れている。22日は八雲町内各戸に配るチラシをまとめたほか、こいのぼりにひもを通し、当日の手順を確認した。石原会長は「気持ちの張り詰める日々が続く中、こいのぼりを揚げて皆さんの心が休まる場所を作りたい」と意気込む。