健康推進課の呼び掛けを投稿する広聴広報課のツイッター画面
健康推進課の呼び掛けを投稿する広聴広報課のツイッター画面

 「ついに! 島根県公式Twitterはじめました」ー。47都道府県で唯一、広報部門のツイッターアカウントを持たなかった島根県広聴広報課が、ようやく開設に踏み切った。本来は情報発信の中核になる部署だが、ツイッターでは大幅に遅れを取った。全国最後の開設を逆手に取って、注目を集められないかと期待する。 (政経部・清山遼太)

 ツイッターが開設されたのは6月1日。4月に入り、岐阜県広報課がアカウントを作成したことで、広報部門でツイッターを運営していないのは47都道府県で島根県だけになっていた。

6月に運用が始まった島根県広聴広報課のツイッター画面=島根県庁

 ツイッターアカウントのホーム画面を開くと、しまねSuper大使の吉田くんが、どこか自虐気味に開設を知らせる。運用から10日程度でフォロワー数は1千人を超えるまずまずのスタート。約2カ月が経過した現在は1300人で、2022年度中に1万人まで伸ばしたい考え。

 なぜここまで出遅れたのか。広聴広報課の中祖優基主任主事(30)は「炎上のリスクもあって開設に踏み切れなかった」と事情を説明した。若者への情報発信力があるツイッターを使う発想は以前からあったものの、慎重になるあまり、気がつけば全国で最後になっていた。

ツイートする内容を話し合う広聴広報課の職員ら=島根県庁

 島根県庁内では既にツイッターで情報を発信している部局があり、広聴広報課のツイッターは、アカウントを持たない部署の情報発信機能を担う。最近では、都市計画課が担当する「しまね景観賞」のパネル展の案内や、健康長寿を推進する手頃な運動を呼びかける健康推進課などのツイートを実行した。まれに広聴広報課がツイートすることもある。

健康推進課の呼び掛けを投稿する広聴広報課のツイッター画面

 

都市計画課の事業を投稿する広聴広報課のツイッター画面

 県庁内では路面の積雪量や土砂災害の状況を伝え、すでに公式マークまで取得している道路維持課、観光イベントやJR木次線の情報を発信する観光振興課が11年から運用中。観光振興課が管理する県観光キャラクター・しまねっこのアカウントに至っては、フォロワー数7万4千人を超える人気ぶりだ。

2011年から運用し、公式マークを取得している道路維持課のツイッター画面

 庁内外で大幅な出遅れとなったが、広聴広報課の後藤健課長は「47番目となったことを武器とし、島根を広く知ってもらいたい」と期待する。

 山陰両県では鳥取県広報課が11年3月にツイッターの運用を開始し、公式マークも取得済み。報道機関に向けた発表内容を投稿しており、現在、フォロワー数は1万人超えだ。同年にフェイスブック、16年にインスタグラムのアカウントも開設し、情報発信を強化する。

2011年から運用し、公式マークも取得している鳥取県広報課のツイッター画面

 若い人に限らず、多くの老若男女がツイッターで情報を得たり、発信したりする時代。自治体や政治家がアカウントを運用するケースは決して珍しくない。県内外に島根をPRする一手とするには、出遅れを挽回し、注目してもらえるような創意工夫が求められる。

投稿内容を確認する中祖優基主任主事=松江市殿町、県庁

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 島根県広聴広報課のツイッターは次の通り。
 https://twitter.com/PrefShimane