リユースコーナーで子供服を選ぶ親子連れ=島根県西ノ島町浦郷、コミュニティ図書館いかあ屋
リユースコーナーで子供服を選ぶ親子連れ=島根県西ノ島町浦郷、コミュニティ図書館いかあ屋

 隠岐島前の島根県西ノ島町で、町の集落支援員が開く子ども用品のリユース事業が息の長い活動を続けている。島内の子育て世帯から回収した子供服などを、希望する世帯に無料で提供する仕組みで、8年目を迎えた。離島で3千点以上を誇る豊富な品ぞろえが受け、隣の海士町や知夫村の子育て世代にも支持を広げている。(森山郷雄)

 取り組みは、島外から移住者が増え、町の集落支援員の関谷奈美さん(40)が、Iターンした子育て世帯から「お古の服を手に入れたい」という声を聞いたのがきっかけ。現在は集落支援員の吉野剛さん(61)と山下加奈子さん(38)との3人で月2回ほど、同町美田の美田コミュニティセンターで開く。

 毎回、季節もののシャツやズボン、ベビー用品を1千点近く出品。成長に合わせて新調を迫られる小中学校の体操服や制服が特に人気で、チャイルドシートやベビーカーも取り扱う。

 千葉県出身で2児の母親の門野千尋さん(38)=西ノ島町美田=は「衣替えで服の数が必要な時に、無料で手に入る」と喜ぶ。

 品物はすべて島内の子育て世帯から提供されたものばかり。譲り合いの仕組みに賛同が広がり、最初は数百点だった品物は3千点を超えるようになった。母親同士の交流の場になっており、海士町や知夫村からも来場者がある。

 2人の子どもと訪れる永瀬瑛恵さん(38)=同町美田=は「フリーマーケットアプリに出品するより、思い入れがある子供服を島内の誰かに着てもらうとうれしい」と話した。

 3人はこのほど、同町浦郷のコミュニティ図書館いかあ屋で、初の感謝イベント「リユースフェスタ」を開いた。関谷さんは「子ども用品が手に入りにくい離島の不便さを少しでも解消し、子育てや定住環境の充実の一助となるよう続けたい」と意欲を示した。