いさり火を望む花見潟墓地でともされた「迎え火」=鳥取県琴浦町赤碕
いさり火を望む花見潟墓地でともされた「迎え火」=鳥取県琴浦町赤碕

 2万基余りの墓石が日本海に沿って立ち並ぶ鳥取県琴浦町赤碕の花見潟墓地で13日夜、故人の霊を導く「迎え火」がたかれた。点々とした明かりが潮風に揺れ、イカ釣り漁のいさり火を遠くに望み、幻想的な風景が広がった。16日には「送り火」がともされる。

 夕方から墓参りに訪れた地元住民らが灯籠のろうそくや、麻の皮をむいた「おがら」に火をつけた。帰省した顔なじみと久々の再会を喜ぶ姿も見られた。

 町観光協会によると、東西350メートル、南北19~79メートルの約2万平方メートルで、海岸に面する自然発生墓地では国内最大級の広さ。1891年に新婚旅行で立ち寄った文豪・小泉八雲(ラフカディオ・ハーン)は「人力車で抜けるのに15分かかった」「霊気を感じた」と記した。

(田淵浩平)