浜田市議会臨時会議で27日、市が提出した2021年度水道事業会計補正予算案を取り下げる一幕があった。断水被害を受けた地区への対策費で、住民の関心が高いにもかかわらず、執行部が「配水タンク増設事業 1億5千万円」と書いただけの資料で審議を乗り切ろうとし紛糾したため。

 予算案には、1月に水道の凍結・断水が起きた金城町今福地区での対策工事費1億5千万円を計上。断水が最長3日続いた地区の対策として、市は配水タンクを増設するつもりでいた。

 しかし、執行部は審議で水道会計全体の増減額を記した1枚紙の資料を配り、工事の必要性や効果、タンクの設置場所といった事業概要は口頭で説明。

 紙1枚で説明してはいけないとの取り決めはないが、1億円超の事業だけに、多くの議員から「もっと丁寧に説明してほしい」などとの指摘があり、執行部は議案を取り下げた。

 久保田章市市長は「心からおわび申し上げる」と陳謝。後日改めて提案するとした。

      (勝部浩文)