江津署員と新たな啓発パネルのデザインについて打ち合わせる佐々木和仁さん(中央)=江津市江津町、江津署
江津署員と新たな啓発パネルのデザインについて打ち合わせる佐々木和仁さん(中央)=江津市江津町、江津署

 【江津】邇摩高2年の佐々木和仁(あいと)さん(16)=江津市二宮町=は江津署に依頼され、事故や詐欺被害防止の啓発ポスターのイラストを描いている。躍動感と愛らしさのある石見神楽の絵が好評で、ステッカーやストラップにも使用される。佐々木さんは「歩いている人の目に留まるようなイラストで、事故防止に役立ちたい」と筆を握る。

 佐々木さんは子どものころから絵と神楽が好きで、高校の石見神楽部に所属する。中学校は美術部で3年の時、島根県交通安全協会主催のポスターコンクールで、神楽のイラストであおり運転防止を呼びかける作品が島根県知事賞を受賞した。

 江津署は佐々木さんの絵に注目し、啓発物に使用する絵の制作を依頼した。昨年は石見神楽の「塵輪(じんりん)」を題材に高齢者の事故や詐欺被害防止のポスターを手がけた。今年は飲酒運転撲滅のステッカーと反射材で、車を運転するつもりの大蛇(おろち)から須佐之男命(すさのおのみこと)が酒を取り上げるユーモアに富んだイラストを描いた。

 防犯標語「いかのおすし」の啓発パネル用の絵も11月中に完成させる予定という。佐々木さんは「動きの迫力よりも親しみやすさを意識している。身近な人が事故や事件に遭わないような絵を描きたい」と笑顔で話した。

(村上栄太郎)