ジオラマ作りを進める江上英樹さん=島根県奥出雲町八川
ジオラマ作りを進める江上英樹さん=島根県奥出雲町八川

 JR木次線と出雲坂根駅(奥出雲町八川)を盛り上げようと、元小学館編集者の江上英樹さん(63)が、木次線の「3段式スイッチバック」のジオラマ作りを進めている。9月下旬に始まる鉄道漫画展に合わせて披露する予定で、都内から材料を持ち込み、作業を本格化させる。 (狩野樹理)

 江上さんは、奥出雲町と東京の2拠点生活を送る。漫画の取材で出雲坂根駅を訪れた際、同駅が折り返しとなる列車が進行方向を変えながら急勾配を上がる「スイッチバック」に魅了された。趣味で続けていたジオラマを使って、圧倒されたスケール感を表現することにした。

 ジオラマは実際の150分の1で、縦90センチ、横360センチ。江上さんが設計し、鉄道模型「Nゲージ」を走らせる。

 スイッチバックを行き来する模型が自動で引き返す仕組みにし、途中にあるスノーシェルターや信号、列車の進路を転換するポイントなど実物と同じように配置。駅舎は江上さんが測量して図面にし、仕上げた。

 こだわった点は本来、真っすぐな駅からスノーシェルターに向かう線路を少しS字にカーブしたところ。駅に向かう線路沿いにある桜並木を気に入っていて、花を咲かせるつもりだ。

 一人で作業を進める江上さんは「完成したジオラマを見て木次線に乗って、本物はどうだったか確認してみてほしい」と話した。

 ジオラマは9月23日に奥出雲町八川の「鉄の彫刻美術館」で開幕する鉄道漫画展で展示する。