柿のアイスクリームを販売する吉賀高校3年の杢内恵里さん(左から3人目)=島根県吉賀町有飯、道の駅むいかいち温泉産直物産館やくろ
柿のアイスクリームを販売する吉賀高校3年の杢内恵里さん(左から3人目)=島根県吉賀町有飯、道の駅むいかいち温泉産直物産館やくろ

 鳥獣被害の原因となる放置された柿を有効活用しようと、加工品作りに取り組む吉賀高校(吉賀町七日市)の生徒が、地元企業と協力してアイスクリームを商品化し、道の駅・むいかいち温泉の「産直物産館やくろ」(同町有飯)で27日、初めて販売した。

 社会を創造する力を養う「アントレプレナーシップ教育」の一環で、放置された柿を商品化し、収益を鳥獣対策の資金にする循環型のプランを生徒が発案。3年の杢内(もくうち)恵里さん(17)が、昨年収穫した富有柿をジャム状にしたものを活用したアイスを考案し、町内の農業、酪農業「山吹グリーンファーム」に持ちかけ、柿ジャムを混ぜ込んだ「柿アイス」ができた。

 売り場に立った杢内さんはマイクを使って「柿のアイスを販売しています。売り上げの一部は電気柵やおりの購入に充てます」と呼びかけた。1年生2人と、同校と交流を続ける青山学院大(東京都)の学生2人も手伝い、用意した130個を売り切った。

 1個350円で販売し、そのうち100円が同校に渡る。その全額を鳥獣対策に活用してもらうため後日、町産業課に依頼する。杢内さんは「地域の人が応援してくれてうれしかった。今年も収穫し、少しでも多く資金を役場に持って行きたい」と話した。

 柿アイスは近く、道の駅・かきのきむら(同町柿木)でも販売する予定。

 (藤本ちあき)